一月

   表情のうえの鬘がものを言う


   往来の少し手前の知恵くらべ


   ぶつかり合いしごく目出度い音を出す


   耐用に克ちたがる目がものを言う


   胃のもたれ尽きせぬ話くり返し


   緩和またどこかで眠り薬買う


   結論に駆けつけたがる小さい虫


   気疲れの果ては櫓のふとそびえ


   ぎこちなく消える間凄く鼾せん


   衰退の向うの丘の物は付け