1992-01-01から1年間の記事一覧

二月

小さな事務所の西窓から太陽の光線が入って来て明るい。夏だとすだれを下ろす。少し窓を開け、風が吹いてくれるのは夕方。蝶が飛び込んだりする。 小柄なストーブ、薬罐をかけ湯気のあがるのを見て、冬に構える日を過ごす。ここに居る時間は一日中で一番長い…

二月

沈黙は億で周りのうからやから出土瓦民の煙も究めてく晩鐘を掴【旧字】まんとしていのち抱く見てくれのさもしさだけに洗おうよ生き骨のつぶやきならんそのしじまいとおしくかろき鼾の言いたげに八十と九十が縋る話の種順応に老いの稼ぎの一枚脱ぐ岳人の陽焼…

五八七号(平成四年2月号)

題字 斎藤昌三 表紙 集い 石曽根隆実 川柳について 篠原明子 人間好きの文芸 江部崇 柳多留二十九篇輪講(五十八) 信濃の狂歌(八十六)【五、松本地方(2)】 浅岡修一 川柳評明和八年万句合輪講(十) 本誌主要記事摘録(十九) 雑詠 大空 石曽根民郎選 …

一月

全国天気予報をテレビで観ていると、寒いところは北海道で零下何度とある。その次は大抵わが住む長野県に決まっているようだ。 その北海道の十勝地方の銘菓、(ひとつ鍋)(らんらん納豆)それに(大平原)を前月号のこの欄で紹介したら、長野県小県郡真田町…

一月

かすがいのひとつ消えゆく重さだね生きるべく机辺のちりと供にある男ありき怒涛の国にすべからく若きらに青山ありの賦をからめ大手ひろげさても終わりのなしとせず老い易く小さるものの行く道や頼られる身のつましさでいたい筈恩情のいくつを負いて陽の明る…

五八六号(平成四年1月号)

題字 斎藤昌三 表紙 輝き 石曽根隆実 川柳の伝統と未来 澤辺七穂子 川柳の歴史とその表現について 天野大真 信濃の狂歌(八十五)【五、松本地方(1)】 浅岡修一 柳多留二十七【二十九】編輪講(五十七) 川柳評明和八年万句合輪講(九) 広い視野を持ちた…