二月

沈黙は億で周りのうからやから

出土瓦民の煙も究めてく

晩鐘を掴【旧字】まんとしていのち抱く

見てくれのさもしさだけに洗おうよ

生き骨のつぶやきならんそのしじま

いとおしくかろき鼾の言いたげに

八十と九十が縋る話の種

順応に老いの稼ぎの一枚脱ぐ

岳人の陽焼け雪やけ相和せば

山国に覚め生きかたをひとつ乾す