1987-01-01から1年間の記事一覧

二月

▼静岡県はすぐ隣でも気候がずっと違う。冬いちごと聞くだけで羨しい。静岡ちゃっきり節に 蛙がなくんで雨ずらよ がある。蛙が鳴くから雨降りになるだろうと予測しているが、この(ずら)はそうだろうの方言で信州でもよく使う。世にいうずら言葉だ。この語は…

二月

雪のこまかさ老いを病む便りなり 首筋にひと雫なに覚らせる 追求と弁解コップ注ぎ得たり 在す顔失いし顔語らんか 思いとは深き夢見しままつなぐ 人肌の繰り言抱くや鉄の冷え 救出の星の色めき出す大地 海難の冬の柩は上がり来る 記念日の物言いひずみ曳く重く…

五二七号(昭和六十二年2月号)

題字 斎藤昌三 表紙 舌ペロリ 石曽根隆実 カット 丸山太郎橘高薫風【還暦記念句集】「愛染」鑑賞 東野大八 (1) 【恋人の膝は檸檬のまるさかな】 柳多留廿七篇輪講(六十四)【終】 (5) 川柳に現われぬ方言(三) 魚沢白骨 (10) 【房総方言資料】 …

一月

▼夕飯がすむと大抵七時半、ニュースのあと丁度手頃の(連想ゲーム)に家族一同でうつつを抜かすことになる。間もなく終わりそうな時分、私ひとり居間に移る。 ▼居残した仕事を片付けたり、読みさしの雑誌にまた目を通したりしていると、妻が入って来る。勝手…

一月

納めやすき税のおしゃべりが止まる たぐるほかなきいっぽんの緩む綱 取り残すまでの思いをゆらめかせ いまここに在るを観じて一刹那 何を負うべきか日ごろの数え唄 はしくれの修業の徒たる重しとぞ 奈落から仕掛け車がよく回る つぐないの遍路の笠のくずし文…

五二六号(昭和六十二年1月号)

題字 斎藤昌三 表紙 負けた負けた 石曽根隆実 カット 丸山太郎随想六題(二) 多田光 (1) 柳多留廿七篇輪講(六十三) (7) 俳句第二芸術論再考(三) 田畑伯史 (11) 信濃の狂歌(三十一) 浅岡修一 (14) (ソ)八幡地区(その2) 【143〜…