一月

   納めやすき税のおしゃべりが止まる


   たぐるほかなきいっぽんの緩む綱


   取り残すまでの思いをゆらめかせ


   いまここに在るを観じて一刹那


   何を負うべきか日ごろの数え唄


   はしくれの修業の徒たる重しとぞ


   奈落から仕掛け車がよく回る


   つぐないの遍路の笠のくずし文字


   折れ葦よ時のきざみを重んじる


     同人竹内伊佐緒さん逝く

   正月二日まさに大樹は眠る