1986-01-01から1年間の記事一覧

二月

▼今朝は少し寒いなと感じながらテクテク歩く。この時間にいつも出会うひとがある。どこの人ともわからないが、ちょっとした会釈を交すと、向こうでも心得たもので、軽く頭を下げ知己を示す。 ▼それは殆んど男、あっさりした気持ちで通じ合う。ところがこれが…

二月

齢にして立ち居振る舞い案じても 数ならぬ身の頑なに強張るや こまやかに老いのはじらいあらばこそ 授かりしいのち安けく小刻みに 白鳥の身じろぎ凍みのあたりから 科学の死ふてぶてしくもフロンティア 星となる死の尊厳を問い返し 豪雪と酷寒隣り合う憂き目…

五一五号(昭和六十一年2月号)

題字 斎藤昌三 表紙 石曽根隆実 カット 丸山太郎信濃雑俳書解題 矢羽勝幸 (1) (二二)嘉永年間東信地方雑俳集 信濃の狂歌(二十一) 浅岡修一 (5) (カ)小平地区【40〜54 春日庵角丸、雫田庵雁法師他】 柳多留廿七篇輪講(五十二) (11) ふ…

一月

▼農家の人々の冬の副業といえば雪国のせいもあって、ワラグツづくり。それに専念していた矢先、ナイロン製品の目覚ましい開発の影響で需要を絶たれた。いいことにスキーが盛んになり、大衆化された民宿施設の収入に恵まれて忙しい日々がつづく。 ▼明治十五年…

一月

貰う齢静かに雪のある旦 病める人あり年迎うその寝息 寒の入り喪中の返事熱くする 七草粥うすれひたすら流れゆく おせち料理陽気の箸の如才なく どんど焼き一刷毛土の香にほてる 何故か別れの羽ばたきの耳におく いまわしき夢の底なる救いの手 松本城山を従…

五一四号(昭和六十一年1月号)

題字 斎藤昌三 表紙 石曽根正勝 カット 丸山太郎明治の川柳集 多田光 (1) 信濃の狂歌(二十) 浅岡修一 (7) (オ)三ツ井地区【37〜39 藤原博厚、若水他】 柳多留廿七篇輪講(五十一) (12) ふぐ漫筆(三) 小野真孝 (17) 旬に合わせて(…