一月

   貰う齢静かに雪のある旦


   病める人あり年迎うその寝息


   寒の入り喪中の返事熱くする


   七草粥うすれひたすら流れゆく


   おせち料理陽気の箸の如才なく


   どんど焼き一刷毛土の香にほてる


   何故か別れの羽ばたきの耳におく


   いまわしき夢の底なる救いの手


   松本城山を従え季節待つ


   樹の株の生あたたかさ雪語る