1985-01-01から1年間の記事一覧

二月

▼長寿のひとがよくこう言う。これまでになったのは、無理をせずなすがままに自在の境地を遊ぶ日常であるからだと。いつまで生きるか、それは思わない。決まった限界があるわけでなく、与えられた齢の悠々たる本願に徹するのみともつぶやく。 ▼まだ老眼鏡の厄…

二月

世の中の数あるなかの首根っ子 休肝日までは届かぬほんの量 息長く厨のばばのいさぎよし じじむさくことの収まるまで眺め 遅い梅過去あるひとを描かせて 前の話でくすぶっている打算 意味すれどさこそ気づかず通り過ぎ さて罪なことといつしかわが痛み 青春…

五〇三号(昭和六十年2月号)

題字・斎藤昌三 表紙・丸山太郎 カット・丸山太郎牛の角文字の少女 石川一郎 (1) 信濃の狂歌(九) 浅岡修一 (5) 5.真糸庵房得(その2) 6.那須伏種 市民詩社の謎 奥津啓一朗 (10) 柳多留廿七篇輪講(四十) (12) 課題「招く」 佐竹観光…

一月

▼自分で暇をつぶしてまでもと思うからかも知れないが、若いときから割と旅に出掛けようとする気持ちは少なかった。先方から是非というような、友交や義理で重い腰を上げるのがせいぜい。そんなミミっちい質だから、見知らぬ土地の郷土玩具をさがしては送って…

一月

当てあっての話小さくかしこまる たまゆらの露の安けさ貰うとき おどろおどろ救いの神の手を浸し 人間のめでたき顔をこそ掠め 田舎銀座祭り囃子の江戸浪速 マスメディアひしめく底の溜まり水 犯行の電話はしないまま尻尾 男去るや栄光の座のみならず だませ…

五〇二号(昭和六十年1月号)

題字・斎藤昌三 表紙・丸山太郎 カット・丸山太郎明治の新聞と松本・信州(2) 多田光 (1) 江戸川柳研究小史(一五) 阿達義雄 (6) 育英版「川柳吉原志」をめぐって 信濃の狂歌(八) 浅岡修一 (10) 【5.真糸庵房得(その1)】 柳多留廿七篇輪…