一月

   当てあっての話小さくかしこまる


   たまゆらの露の安けさ貰うとき


   おどろおどろ救いの神の手を浸し


   人間のめでたき顔をこそ掠め


   田舎銀座祭り囃子の江戸浪速


   マスメディアひしめく底の溜まり水


   犯行の電話はしないまま尻尾


   男去るや栄光の座のみならず


   だませない自分の甘さだけ噛んで


   老い先の止まり木きょうを読んでいて