子供の遊び

 シャボン玉はすぐできる遊び。いくつも出るようにするには、松やにを入れるのが一番よいといい合ったものです。
  地に落ちるまで美しきシャボン玉   史呂
 水鉄砲は夏のものですが、股のある棒切れにゴミをくくりつけ、ピーンと伸ばして放つ遊びもありました。ゴム鉄砲といいます。
 あき缶に紐を通し、カッポ、カッポと足並よく歩いて友達を誘い行きます。すると竹馬に乗ったのに出会います。片足でちょっ、ちょっとはずみをつけながら、片方をかついで「兵隊さんだ」「兵隊さんだ」と鉄砲をかつぐ真似をします。ヨーイ・ドンで走り、駆けっこもしました。
  竹馬に次に借る子が下駄を持ち   冬眠子
 地面に大きく輪をいくつも描き、石を蹴りながら、ひとつずつ輪に入れてゆく石蹴り遊びもしました。夢中になって「もう夕飯だよ」と母さんに呼ばれた昔がふっとよみがえってきます。
 冬の凧遊びは、また格別でした。奴凧が手頃です。揚がらぬまま地に引きずっていると、友達にからかわれしょげて帰ったものでした。これがうまく上空高く揚がると「やった、やった」と大声で叫びます。
    凧●
  息子がたこをあげるにあがらず。おやぢ出て「どれどれ、おれがあげてやらふ。向ふの河岸へ持つてこい」とて小僧をつれてゆき、一トかけ走ると、よくあがる。おやぢ、おもしろがり、引たりしやくッたり余念なし。「コレとつさん、もふおれにくんねえくんねえ」とせつけば「エゝやかましい。我を連れてこねばよかった物」   (聞上手・安永元年)
 ペラペラな紙に印刷した写し絵を、POPという紙に太陽の光で写しました。太陽でレンズの焦点を合わせ、新聞紙などを焦がすこともしました。早く、よく焦がすには墨で黒く塗ります。冬の遊びです。
 指相撲は友達同志で気楽にやれます。ゲラゲラ笑って取り組む。
  指相撲親むつかしく負けてやり   水仙
 鬼ごっこもよくやりましたが、私はいつも鬼になるばかりでした。かくれるのがうまい友達もいました。
  かくれんぼ上手に隠れほっとかれ   かずお