十二月二十五日


   弘法の奇特一村屁もひれず

            (同 六九)



 「十三里」の行燈に、やき芋のPRを文字通りうべなうとき弘法大師の石芋伝説(小県郡青木村)を思い出す。そんな季節である。
 大師はこのほかにも弘法井、弘法池などの伝説を各地に残している。水に恵まれない土地で、のどの乾いた大師が「水がほしい」と頼むと快く遠いところまで水をくみにいつて馳走してくれた。その心持がうれしく、大師が持つていた杖で足元をつくと泉ができた―などはその類、