十二月十三日


   白鳥と化して碓氷の放ち鴛鴦(おし)

           (柳多留 一四〇)



 人皇第十二代景行天皇のとき、皇子日本武尊を九州討伐に向わせた。十六歳、童女の姿に身をやつし首領を討ち取つたり、のち駿河の国では天叢雲剣で大いに賊をなやませたりなかなかドラマチツクな英雄であつた。碓氷峠では相模の国で身代りとなつて失つた后の弟橘媛を追慕した。その後、伊勢の熊褒野でなくなり白鳥に変じて大和に飛び、さらに河内へ、ついに天に昇られたという。