十一月二十三日


   望み叶ふ迄はいのちが大事なり

            (田舎樽)



 きようは勤労感謝の日
 ひところまでは新嘗祭といつて今年の初穂を神に供える日でもあつた。
 黙々と土に親しみ、土に生きる農家の人たちが、粒々辛苦のたまものをささげる記念すべき日であつたのである。勤労といえば農民にだけのものではないが、やはりすぐ、なおかつこの日感謝したい気持を起こさせる。
 計画への実現のためにいのちは大事にしなければならない。すべての人たちにとつて。句の意義が光つてくるゆえんである。文化年間、松本で発行された「田舎樽」から。