龍宮はなんぞか土産呉れるとこ
(柳多留拾遺 四)
きようは世界平和記念日だ。平和を望まない人はあるまい。そこでのんびりと浦島太のお伽噺でも聞いて、先ず心の平和をふりかえろうではないか。
龍宮へ行つた人は、たいへんしあわせだ。そのうえ、おみやげを貰つたとなれば、こんな幸運の人はめつたにないというもの。そのラツキーの人は山幸彦(やまさきひこ)と俵藤太、それに浦島太郎くらい。
龍宮は海中にあつて、明治時代の唱歌にもあるように、それこそ「絵にも書けない美しさ」だ。想像的仙境とも理想境ともいわれ、せめてもののぞましい夢の世界であつた。
浦島太郎と寝覚の床は伝説で有名。