2012-10-11 十月十一日 古川柳信濃めぐり365日 佐殿も全体佐々木贔屓なり (万句合 明和七義五) 了知上人といつてもピンと来ないが、佐々木四郎高綱といえば、あの宇治川の先陣に天晴れ名を高めた武将を思い出すだろう。 松本市島立区北栗に正行寺趾がある。このお寺の開祖が実は了知上人だ。源平の戦が終つて菩提心を起し、親鸞上人の弟子となり、のち、ここに草庵を構えて一向専念、ついにこの地に往生を遂げた。 この句、源頼朝に最も信頼の厚かつたことをほのめかしているが、一説によると勲功に対する配慮が妥当ではないことを怒つて、みずから出家するに至つたという。