九月四日

   信玄の頭にやどる諏訪の神

          (柳多留 四一)



 諏訪大社信濃国一の宮といわれ、上下両社に分かれている。上社は建御名方命をまつり、諏訪市中洲に鎮座し、下社は同妃八坂刀売命で下諏訪町にある。農業神として信仰をあつめ、また古来武将の崇敬が厚かつた。
 武田信玄は「諏訪南宮法性大明神」の旗をひるがえして大いにふるつた。
 霞ケ峠は上諏訪からバスで一時間すこし、冬はスキーのメツカ。夏はキヤンピング、その上をグライダーが音なく巡るあたりに真白い夏の雲。見渡す限り起伏のつづく緑の大草原。また小さい流れ、ひつそりと湿原や池があつたり、落葉松や白樺が人待ち顔にたたずむ。雄大な山岳展望。絢爛たる植物群落はハイカーを大いにたのしませてくれる。