八月十五日
蓮の葉に事欠く木曽の魂祭
(柳多留 八六)
お盆である。盆棚を作り、盆花を供える。桔梗・女郎花・吾亦紅・萩・山百合、この句の蓮の葉もそうだが、江戸時代、木曽あたりには山中蓮なしということだつたらしい。いまはどうだろう。
盆棚には茄子・胡瓜の馬も忘れられない。迎え火をたいて祖先の精霊をお迎えする。野山に精霊が眠ってござるということで、あの盆花がそもそも必要であつた。盆火というかんばをたく。ありありと思い出のひとのおもかげが浮んでくる。はやしが聞える。盆踊が始つたらしい。