八月十四日

   留守に姨捨てて信濃の盆踊

           (ことたま柳)



 盆踊が各地で盛んだ。老若男女が楽しそうに夜の涼みがてらに踊る。この句のように老母だけ家で留守番をさせたりはしない。若がえりのつもりで腰を伸ばして手振り足振りよろしくお年寄りも負けてはいない。ほほえましい盆踊風景である。
 下伊那郡阿南町旦開の新野盆踊は、この形式が古く、また規模が大きいことで特色があり和合の念仏踊や日本の民謡にまで発展した木曽踊がある。今ではこの地方で生れた盆踊唄がみんなにうたわれ、そして夜のふけるまで踊つている。