七月二十一日

   大津絵の生きてはたらく軽井沢

            (柳多留一二・六〇)




 昭和二十六年の国際文化観光都市建設法で軽井沢は「世界においてまれにみる高原美を存し、すぐれた保健地であり、国際親善に貢献した歴史的な実績を持つ」と激賞されている。全国に避暑地は多いが、軽井沢ほど著名なところは少ない。外国人が多く、このごろでは小説家や学者もやつてくる。夏になると軽井沢の人口がどつとふえるのも道理。
 さてこの句、その昔、軽井沢辺はまことに田舎つぽい遊女街で、大津絵ばりのあくどい化粧の艶が競われた様をいつている。