七月十九日

   塩尻で辛き目にあふ諏訪の勢

            (新編柳多留 二六)




 下諏訪の宿から中仙道を諏訪湖に沿って西にゆくと間もなく塩尻峠。
 天文十七年(一五四八)七月十九日、この塩尻峠に於て諏訪・小笠原の信州勢と、武田晴信甲州勢とが合戦、武運拙く信州勢は完敗、小笠原長時松本深志城に退き、武田勢の追討急にして更に北信濃にのがれ、松本平の大半は武田氏の手に帰した歴史がある。
 国道二〇号線は松本から塩尻峠を経て岡谷諏訪に通じているが、アスフアルトの道は誠に快適。頂上に峰の茶屋がある。旧道は少し高い北側を通つている。