七月七日


   池月は第一番に身震いし

         (万句合明和元・義四)




 落語に「佐々木政談」がある。町奉行に新任した佐々木信濃守が民情視察に出掛けると白洲ごつこをしている子供たちに出会う。その裁きかたがあまりにうまいので親子ともども出頭させる。子供は臆せず弁舌もたくみ。子供はお奉行様の名に因んで佐々木四郎高綱と名乗ろうという。「それは先祖の名じや、その方も源家か」「イエ私は平家(平気)でおます」
 佐々木四郎高綱は宇治川の先陣争いに池月を駆つて大いに名を挙げたが、のち出家、松本市島立区北栗の正行寺を開祖、了智上人としてこの地に教化した。