2012-07-06 七月六日 古川柳信濃めぐり365日 木曽泊り付け廻しつ水の音 (柳のいとぐち) 日本エツセイストクラブ賞を受賞した洋画家曽宮一念の随筆に「木曽一泊」がある。このなかに「家の美しさと共に水の多いこともうれしかつた」とあり、富士では水を大切にするのに、御岳では水が豊富なので、それほどに考えないのが意外だつたらしい。そしてしみじみ木曽川のせせらぎに旅情を覚えたことだつた。 木曽川は鳥居峠で北流する犀川の上流と分水され、木曽谷を南流し愛知県に至つて濃尾平野に出る二三二キロ。いま随所に水力発電所が造られ風景を一変しつつある。