2012-04-22 四月二十二日 古川柳信濃めぐり365日 つながれる象もまんざらやぼでなし (田舎樽) ぬばたまの黒い女の髪がぬらぬらと心にかみつく。〈女〉のさがである。 日本のロダンといわれる彫刻家の萩原碌山は南安曇郡穂高町出身。その傑作に「女」がある。絵を学ぶために二十三才で渡欧、ロダンを屡々訪れ、その作品特に「考える人」に感激、帰朝後彫刻に転じ近代的リアリズムを盛り上げ、交友関係も影響し作品に思想的な匂いを放った。明治四十三年四月二十二日歿三十二才。 日本アルプスを背景にして教会風の建物が碌山美術館だ。わさびで聞えた穂高町にこれは誇つてもいい存在である。 「田舎樽」は文化年間、松本の川柳句集。