2012-04-20 四月二十日 古川柳信濃めぐり365日 山ざくら誰に見しやうとのこるらん (田舎樽) 「田舎樽」の序文を書いた十辺舎一九著わす「続膝栗毛八篇」の松本あたりの挿絵の賛は高美屋甚左衛門である。その狂歌のなかに「城山の」とある。いまは城山公園となつていて観桜蔵に散策に好適地。安曇平を隔てて遙か日本アルプスの眺めは雄大だ。その公園に 鉦ならし信濃の国をゆきゆかば ありしながらの母見るらむか の窪田空穂の歌碑がある。松本市和田出身。また近くに吉江孤雁の詩碑が建つている。 双の触手は 大空を探つて 全身で己の行跡を 書きとめる蝸牛 孤雁はフランス文学者。塩尻市出身。 二人は松本中学(いまの松本深志高校)時代から親友、早稲田大学も同門。