四月十九日


   花咲けば諏訪の親類遠くなり


             (柳多留 二)




 諏訪郡富士見町富士見高原に島木赤彦の歌碑がある。楷書万葉体、斎藤茂吉の揮毫に成るもので、碑陰に昭和十二年十月建之 久保田俊彦先生追悼謝恩会とある。

    みづうみの氷は解けて尚寒し
         三日月の影波にうつろふ

 「みづうみ」は諏訪湖を指している。大正十三年作品。
 この句、花が咲く頃は氷も解けて、親類へ遠廻りしなければならない。