四月十日


   雪にかけ霞にはずす諏訪の橋


           (柳多留 三三)




 諏訪湖は、東と北を八ケ岳と霧ケ峰に、南を明石山脈に囲まれた盆地の西北のすみにある。海抜七五九メートル、面積約十五平方キロ。八ケ岳火山の噴火物で盆地の南方がせきとめられて出来たものであるという説が一般にとられているが、このほかにも火口湖なりとし、または陥没湖なりとする説がある。
 この句、諏訪湖を橋に見立て、雪が降るころは氷結して通行が出来るが、霞が立つ頃この橋はとけてしまうの意味。