四月八日


   善光寺紋も如来の立ち姿


          (柳多留一五三)




 長野駅前に清らかな噴水に囲まれて美しい姫の像が立つている。あれが如是姫である。お釈迦様と同時代に月葢という長者があったが、実はその娘で、善光寺に向つて花盤を捧げている姿だ。
 月葢はもともと貪欲で慈悲のこころがないさもしい男であつた。ところが可愛い娘が病気になり困り果て、お釈迦様にすがり一命を救われた因縁で、勧請もあつてのち一光三尊の仏像が現われ、これが善光寺に伝来されるに至つた。
 この句、寺紋の立葵にたとえたもの。
 きようは釈迦誕生日。