四月七日


   年四十飯綱の法を譲るなり


         (俳諧年こもり)




 きようは世界保健デー。
 人間はいつも健康でありたい、そしてよい仕事を成し遂げたいと願う。そのうえ長命ならこれに越したことはない。生きて恥多しなどとけむつたがることはよそう。
 飯繩の法術の始祖伊藤タ忠綱は、長野市芋井の飯繩山に籠り行を修め、養生の術によつて二百余歳を生きたという。この法力は飯繩神社を本祠として長く伝えられ、各地に飯繩社を散在させた。
 しかしこの幻術もあまり老齢になつては行い得なかつたものらしい。年四十とは若い。