2012-03-22 三月二十二日 古川柳信濃めぐり365日 文七とお六は髪の友かせぎ (柳多留 五四) 文七は文七元結。お六はお六櫛で、共に頭髪には缺かせないもの。 元結(もとゆい)は髪を結ぶのに用いる細い紐。飯田の産。お六櫛は歯のこまかいのと丈夫にできていることで名の通つた木曽薮原の名産。いずれも信州の手工芸品である。 三遊亭円朝得意の人情噺に「文七元結」があつた。落語では専ら円喬、円右などの名人がやり、明治三十四年十月、改良座で新派が採り上げ、また旧劇では明治三十五年五代目菊五郎が歌舞伎座で上演した。