三月十二日

   平家物語四五はい喰つて書き


            (柳多留 二三)




 古川柳に登場する大めし食いは、だいたい信州人を指しているものとみて間違いないといえるほど、信州人の大めし食いは“著名”である。
 平家物語の作者については諸説がある。兼好法師が「徒然草」の中であげているのが信濃前司行長説については行長は中山行隆の子、下野守行長であろうとする推説があるが行長の履歴についてはまだ確証がない。ただ琵琶法師生仏との合作であるとの説は注目できる。ところでこの句、行長もとうとう大めし食いにされてしまつた。