三月九日

   檜を曲げて利にする木曾の木具細工


             (柳多留 一〇九)





 長野県は七〇%余りの地域が森林でおおわれているが、そのうちでも木曽は一番聞えが高い。
 だから木地細工や檜の曲物細工は古くから木曽路の名産であつたことがうなずける。
 六百年前、木曽福島町に漆塗師がいたと伝えられ、江戸時代にはお上の保護を受けた。
 漆器といえば今は楢川村の平沢、奈良井地区が中心。年間出荷額六億円。
 南木曽町の蘭部落の檜笠、ロクロ細工も忘れられぬ。
 この句「非を理に曲げる」のたとえをもじつたもの。