火のついたやうにお七は逢ひたがり
(柳多留拾遺 四)
きようは消防記念日。
(火のついた)と聞けば早速、夜更けであろうがいつ何どきでも駈け付ける消防の人たちはまことにご苦労さまのことである。
カーン、カーンといい音色と共に、あでやかな扮装で舞台一面になまめかしさをくりひろげる「伊達娘恋緋鹿子」や「松竹梅雪曙」「其往昔恋江戸染」「吉様参由縁音信」などで知られたお七。
逢瀬をつくるためにわが家に放火したことが発覚し、遂に火の刑に処せられた。その菩提のために小姓吉三郎が建立したといわれる濡仏が善光寺門前にある。