二月二十日

   犬のゐる所と煮売屋を教へ

           (川傍柳  三)




 遠いところからわざわざ早太郎という犬をさがしにやつて来た。この句のように、まさか煮売屋にうろついているケチなイヌでもなさそうだ。話を聞いてみるとこうだ。お宮に怪物がいて、いけにえを出さなくてはならない。ところが怪物が信州の早太郎に知らせるなとこわがつている。そこで信州の早太郎をさがしに来たという。首尾よく早太郎はこの怪物を退治することが出来た。
 早太郎は駒ヶ根市赤穂の光前寺の住職が育てた犬。これは昔の犬の功名ばなしだ。