2012-02-15 二月十五日 古川柳信濃めぐり365日 身は雲水と天龍で逆らはず (柳の丈競) きようは西行忌。西行法師が諸国行脚の道すがら、天龍川の渡船にかかると、乗客が多すぎるといつて西行一人を下船させようとした。西行は聞えぬ振りをしてさからわず、怒る様子もなく立ち去つたという。 諏訪湖に発し伊那盆地を作り、飯田を過ぎると天龍川は花崗岩を深く刻んで大峡谷へと展開する。景勝天下に冠たる天龍峡。 天龍流れて稲穂は黄金 繭は白金 お国自慢の天龍峡よ――舟下りは古く六百年の昔寺院用材の運搬に始まつている。