二月九日

   武勇では一家六もん名が高し

            (柳多留 二五)





 おなじみ猿飛佐助、霧隠才蔵という忍術の達人、ほかに穴山小助根津甚八海野六郎それに根は正直ものだが、あわてん坊でちよいちよいしくじりを演ずる三好清海入道という面々は、いずれも音に聞えた真田幸村十勇士を受けて、諸国を漫遊、数々の武勇伝をくりひろげる物語は、立川文庫でおなじみ。
 真田の家紋六連銭を俗に六文銭というが、一家一門というべきところを、一家六もんとしやれつ気を出した句である。