二月六日

   徳本はたのみ甲斐ある名医なり


             (柳多留  三七)





 永田という苗字をいわず「甲斐の徳本」で名が通つていた名医。幼くして学を林羅山に受け、読書への知識を深めた。甲斐にいたときは富士山に登つて薬草をあさり、信濃に来てからは木曽山中にはいつて草木の薬を採集した。どんな難病も徳本様のところへ行けば治らないことはないといわれるほど評判がよかつた。
 「救急十九方」「知足斎徳本秘方」などの著書によつて徳本流の医方を後世に伝えた。