一月二十八日

   椋鳥を見付け客引綱を張り

          (新編柳多留 三)




 きびしい気候と貧しい信州人の性格をかたちづくる。この貧しさからぬけ出そうとして大都会にゆく。ガツガツして、ガリ勉型の代表みたいな信州人が出来あがる。だから、ばかげた無条件な情熱がわかぬ。その半面、驚くような強い意志の表現をひらめかす。ジヤーナリズムをおどらせた女性に信州人が多いのもいい例。
 この句、集団で江戸へ出かせぎにいつた連中を椋鳥と呼んだ。よいお客来たれよと宿屋の方も手ぬかりはない。