一月二十七日

   六人の内で貞光手盛にし

          (万句合明和元・義二)




 物語で名高い大江山酒呑童子は名前通りに酒が大好物だ。近国の人民を屡々悩ませていたのを源頼光は四天王の渡辺綱、坂田公時、卜部季武、碓氷貞光と一人武者の平井保昌と協力して首尾よく酒呑童子一味を退治する。
 そのうちの碓氷貞光は碓氷峠の出身。信濃者だから定評の如く大食で飯を手盛りにしただろうとの推解だ。
 峠から北寄りのところに貞光を祀つた「貞光塚」の古跡があり、またその近くには貞光が力試しに持ち上げたと伝えられる「貞光の試し石」も残つている。