一月二十四日


   筆捨は松杖捨は行者越

          (柳多留 一三二)




 夏はキヤンプ、バンガロー。冬はスキー、スケートというのは観光地の定石。そのひとつ茅野駅からバスで一時間、白樺湖はその名のように白樺や落葉松の林が美しく迎えてくれる。上高地大正池を連想させるほどに湖の中の白樺の木が印象的。丘陵状の八子ヶ峰と多々羅尾根にかけられたリフトは、夏も利用者をふやしている。
 白樺湖の近く、茅野から北佐久へ越えてゆくところに大門峠がある。ここは行者越と言い修験道の開祖役小角が初めて越えた。
 この句、筆捨は巨勢金岡の「筆捨の松」を指す。