一月二十二日

   京織と木曽の麻衣巾合はず

           (入舟狂句合)




 木曽という地名のいわれについては昔からこの地が麻の名産で知られ、麻を曽とよみ、「生麻」と名づけたという説がある。
 また、奥の山里は男女ともに麻衣を常着にし冬も夏もこれを用いるほどだつたから、麻を作る家が多かつた。そして麻の皮をはがないことを「木そ」ともいつた。
 木曽といえば島崎藤村と共に古くは木曽義仲を思出す。義仲は朝日将軍とも呼ばれて威勢がよかつたが、京都へ出てはいささかソリが合わず話題をまいた。