一月二十一日


   真田軍記をうつしてる上田流

          (柳多留 一〇三)




 上田城の旧本丸の跡に真田の隠し井戸というのがある。天正十一年(一五八三)真田昌幸が築城に際し、秘密の穴としてこの井戸を苦心して掘り抜いたといわれ、ぐつとのぞいて見ると十メートル余り、さらに水面下が五米くらいの深さを持つという。
 水底から北に向つて人間が通れるくらいの横穴があるそうだが、例の猿飛佐助や霧隠才蔵はこの穴を利用し、ドロンドロンと現れては敵さんを悩ませたか。
 この句、上田流は和様筆道の一派、「真田三代記」の写本は最も人気を呼んだもの。