諸国から行つてぬかづく臼の弥陀
(柳多留 一〇六)
仏さまのなかでも、びんずる尊者は病気をなおすのが一番うまいとして、多くの信者が集まるだけにこの?病気の仏さま?は平素目や鼻がなぜられ殆ど形がなくなつている。
一月六日、善光寺の正月行事として?おびんづる回し?がある。荒縄の鉢巻きが施され信徒の掛声も勇ましく堂内妻戸の柵めぐりを三度廻る。
十二本の杓子を用意するが、それは十二ヶ月を意味し、杓子は病難を(救う)ことだという。信者は福杓子と呼ぶシヤモジで盛んに像をなぜる。このシヤモジでご飯をもつて食べると一年間病気にかからないとか。