四月

   わが胸にまた戻るべき筋ながら


   接点の行方を生かしたく火花


   見せたくはない弱まりの影拾う


   老春のもやもやめ摑めない淡さ


   ニセ札の共犯の顔修正せず


   からっきし喫えないだけに尖んがらず


   愛玩のパイプ煙管のノスタルジー


   意識して紫煙が伸びる世とぞなり


   お前だって煙で走った過去を追う


   分煙に相手あってのさりげなや