三月

   ブーツ族おそまきながら何か追い


   イルカの血怨念もなく弱者たり


   バックミラーこだわらぬ髭乗り合わせ


   嫌煙権ちがった意志がまた生まれ


   平穏を破る記事から今日の目覚め


   今さら聞いた風なせりふもならず会釈する


   天下の形勢のおかしさがじりじりっと


   間違った顔はしない冷たく数える


   すごすごと年寄りの巣があてがわれ


   別れるは習いたしかな明日がある