七月

   夢の果てありと思いしふつつかな


   いくつ丘越えゆくあたり目に浮べ


   蚊が飛んでくるたのしみも齢と知り


   なだらかでなかった道に置くひとり


   ひとりゆくこの生きの間を知り給え


   公害へ人間の名を呼びさまし


   若さについてゆこうとする言い聞かし


   わが枕よごれの底に落ちてゆく


   蚊帳のなかに老いの姿をためしてる


   もろからんことを振り切り腰を伸ばそ