十二月

   流されまいとひたぶるな耳を揃え


   あぶらぎるちからなし日を重ねおく


   大き子の静かに眠るわれは眠らず


   齢を意識するときなかなかに克ちたくて


   冬に育つ花の黄胸にうめる


   ここに生きてはためく肌を忘じゆく


   酒は姿をひそめわれを可愛がる


   子は大きく追う言葉もて並びたり


   くりかえす齢もち一歩その一歩


   来る年ののぞみ小さくもそれを貰わん