1981-01-01から1年間の記事一覧

二月

▽新聞でたまたま美術作品の紹介記事があるが、つい最近平塚運一さんの版画「青空」を見た。大空に向かって、いくつかの枝葉の変化に富んだおもむき。中央に大きく白い空間を設けたあたり、深くそしてひろがりを示している。単純なそこに風景を活写した強さを…

二月

億の字を避けて通れぬ別世界 世のよごれ光る涙で拭いたまで 箸運ぶこの恙なさ絵になるか どっちも生きてゆくポロポロをのぞかせず 折角の好餌鴉に啼かれたり 恰好のわるさ答えるまでもなく 罪かばいたがって知るや息使い 頭の体操という救いの手 他人様のこ…

四五五号(昭和五十六年2月号)

題字・斎藤昌三 表紙・いしぞねまさかつ カット・丸山太郎臼杵石仏 平川大史 感激した新しい赤絵 丸山太郎【画も】 沖縄旅行その二 川柳越後志(二十四) 西原亮 三、中越篇【小千谷市逃入】 文盲村の時平塚 雑詠「大空」 石曽根民郎選 柳多留三篇輪講(五十…

一月

▽そう決まったのは何となく一人が紹介したに過ぎなかったが、みんなの承諾を得たような恰好で、正月の集まりは軽井沢にすることになった。年の暮れだった。 ▽その日が近づくにつれ、例年になく厳しい寒さが続いた。軽井沢の夏は信州で一番涼しくて凌ぎよいが…

一月

勢揃いするひとりだと思いつく 格言に孫はほんのり問い返し 隠れんぼから出た顔で大人たち 健やかに食いしん坊を冠せられ どんな気でいるのか道つくってやる そこんところでまごついている生ま身 貰われてゆく小鳥たち脚をそろえ しきたりをいつかうつしてお…

四五四号(昭和五十六年1月号)

題字・斎藤昌三 表紙・いしぞねまさかつ カット・丸山太郎洒落本大成解題を批評する 大村沙華 私の宇宙―沖縄行その一 丸山太郎【画も】 川柳越後志(二十三) 西原亮 三、中越篇 名産越後縮【小千谷市】 雑詠「大空」 石曽根民郎選 習作「漱石作 草枕」【遺…