1970-01-01から1年間の記事一覧

二月

▽私の近所に蜂屋がある。軒下にずっしりと巣箱が積み重なっていて、ひっそりとゆとりのあるおちつきが感じられる。或る時期になると旅に出るという。「花を追うジプシー」である。実はこの「花を追うジプシー」の見出しの言葉は清水美江さんが出した句集「み…

二月

ヘルメットに塗たくって来て自己を曝し 突きつけるビラの仲間は遠い顔 いみじくもビラとチラシを刷るインキ いずれ劣らぬ若武者でここに歩き 覆面にかくれ行為が飛び出した 表面のどきつさにニュースがこぼれ 一片の雲すべてを解こうとはしない 昔の言葉の意…

三二三号(昭和四十五年2月号)

題字・斎藤昌三 川柳私論(一) 八坂俊生 「川柳は人間なり」でよいのか 東野大八 雑詠 大空 石曽根民郎 選 山彦集 同人吟 柳多留初篇輪講(八〇) 句会報

一月

▽あわただしい一日がつづくのである。目まぐるしく、これでもかと押しまくるようである。いまいましいことでムツとしたくなったり、ヘマをまたくりかえすことでいやに悔んだりして、おちつかないときもある。でもいつのまにかうち忘れて、あきらめたほどの納…

一月

雪ありき敢えて近づく手を見られ 考えが甘くぬる湯につかまって 白髪まじりの子守唄いつとなく 思惑を見抜かれた目で明るいね 道のりは考えもせず行く姿 ためらっていられず誰か見ている 居直ってやる気更になし手を洗う みな生きているのだというまぎれなく…

三二二号(昭和四十五年1月号)

題字・斎藤昌三 ある対談に寄せて 東野大八 まえとうしろ 美濃部貞 雑詠 大空 石曽根民郎 選 山彦集 同人吟 柳多留初篇輪講(七九) 句会報