一月

   雪ありき敢えて近づく手を見られ


   考えが甘くぬる湯につかまって


   白髪まじりの子守唄いつとなく


   思惑を見抜かれた目で明るいね


   道のりは考えもせず行く姿


   ためらっていられず誰か見ている


   居直ってやる気更になし手を洗う


   みな生きているのだというまぎれなく


   かなしみは拭えぬ齢で静かけり


   涙ぐむ老いのゆくえに触れてやる