十二月二日


   ゆきむらの智勇は敵もつもりかね

            (柳多留 七四)


 山にはもう雪が降つたようだ。そろそろ町にも村にも本格的な寒さが訪れよう。雪のシーズンである。
 この句は「雪が積る」という言葉を利かしている。真田幸村のユキ、その雪の積り方が何メートルあるか、ちよつと首をかしげたくなる、つまり幸村の智勇はとても判断がつきかねるというのだ。
 天正十一年(一五八三)上田城を幸村の父昌幸が築いた。千曲川の深いふちのあたり、別名を尼ヶ崎城。真田三代の名はそのまま智勇三代といいたいところ。